テーマ | 講義概要 | 講師 | 予定日 | 会場 | |
第1回 | 経済社会と即戦力CFO | CFO人材の必要性とその定義と目標 | 澤邉紀夫(京都大学経営管理大学院院長) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
6/7 (土) |
京都 |
第2回 | ROIC経営と即戦力CFO | ROICーTREE分析による経営課題仮説と解決策 | 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) | 6/21 (土) |
東京 |
第3回 | 事業計画策定と即戦力CFO | 上場企業経営計画概観と実例経営計画の洞察 | 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) | 7/5 (土) |
東京 |
第4回 | 資本政策と即戦力CFO | 実例ケーススタデイによる事業ポートフォリオ の再構築に向けた資本政策とは |
太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) | 7/19 (土) |
東京 |
第5回 | マネジメントと即戦力CFO コンサルティング実習基礎1 |
経営の権利と義務とは、その答えをどう遂行するか ケーススタデイ企業の経営改善計画の策定 |
立松博史(元NRI専務執行役員コンサルティング事業本部長) (株式会社T Company 代表) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
8/2 (土) |
東京 |
第6回 | ビジネスコーチングと即戦力CFO コンサルティング実習基礎2 |
組織のパーパスと個人のパーパスの重なりの発見 ケーススタデイ企業のCFOとして最適解の導出 |
永井恒男(Ideal Leaders株式会社 代表取締役CEO) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
9/6 (土) |
東京 |
第7回 | 中間報告会 | ケーススタデイ企業の経営改善計画のIR発表 | 澤邉紀夫(京都大学経営管理大学院院長) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
9/20 (土) |
京都 |
第8回 | 戦略と即戦力CFO コンサルティング実習応用1 |
戦略とは判断基準。すべて自分でやり遂げられるか? 実例企業分析と経営課題。この企業の向かう道は |
新名孝至(株式会社ジェイ・ウイル・パートナーズ パートナー) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
10/11 (土) |
東京 |
第9回 | 人的資本経営と即戦力CFO コンサルティング実習応用2 |
将来世代に引き継ぐ経済(人的資本)の持続性の担保 実例企業の驚くべき企業実態、解決できるのか |
馬奈木俊介(九州大学教授) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
10/25 (土) |
東京 |
第10回 | 企業経営と即戦力CFO コンサルティング実習応用3 |
情理と論理。人と組織をどのように動かすか 立ちはだかる壁。CFOとして攻略の術とは |
村田佳生(元NRI専務執行役員コンサルティング事業本部長) ((株)ヤフェイ・ビジネス・コンサルティング代表取締役) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
11/8 (土) |
東京 |
第11回 | 企業経営と即戦力CFO コンサルティング実習応用4 |
嫌われる勇気、巻き込む勇気、孤独との対峙=決断力 ステークホルダーへの追及と還元。自らの責任と覚悟 |
草本 桂(トパーズ・キャピタル株式会社 執行役員) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
11/29 (土) |
東京 |
第12回 | 最終報告会 | 実例企業の経営計画とスポンサー候補選定のIR発表。 | 澤邉紀夫(京都大学経営管理大学院院長) 太田一郎(京都大学経営管理大学院特定教授) |
12/13 (土) |
京都 |
第13回 | ナレッジ交換会 | 京大EMBA卒業生や関係者とのビジネス醸成の検討会。 | EMBA 即戦力CFO過年度受講生 講師等 | 1/17 (土) |
東京 |
澤邉紀生 教授
京都大学経営管理大学院 院長
太田一郎 特定教授
プログラム責任者
立松博史 先生
元NRI専務執行役員コンサルティング事業本部長
永井恒男 先生
Ideal Leaders株式会社 代表取締役CEO
馬奈木俊介 先生
九州大学教授
村田佳生 先生
元NRI専務執行役員コンサルティング事業本部長/(株)ヤフェイ・ビジネス・コンサルティング代表取締役
新名孝至 先生
株式会社ジェイ・ウイル・パートナーズ パートナー
草本桂 先生
トパーズ・キャピタル株式会社 執行役員
企業の経営課題を析出し、その解決策を提示するのに必要な知識やマインドセットを醸成する「座学」(時間)、必要な情報を経営者から引き出し、組織成員を課題解決に動機づけるためのスキルを実践的に学ぶ「実習」(30 時間相当)、実習の成果を発表しフィードバックを受けることで経営指導能力の向上をはかる「報告会」(45 時間)から構成される。
座学では即戦力CFOとして企業の課題を摘出し、改善案を提案・実践するために必要とされる知識の修得をはかる。講義としては「経済社会と即戦力CFO」「ROIC経営と即戦力CFO」「事業計画策定と即戦力CFO」「資本政策と即戦力CFO」「マネジメントと即戦力CFO」「ビジネスコーチングと即戦力CFO」「戦略と即戦力CFO」「人的資本経営と即戦力CFO」を設けている。
本講座では即戦力CFOを目指しているような実務経験や知識がある受講生を想定している。そのため、基本的な概念の説明などは課題図書等を指定することで事前学習を行う。その上で講義時間内では、その知識をどう活かせるのかといったことをメインとして、ケーススタディー等を交えて参加者によるグループワークやディスカッションを行うことでより理解を深めるとともに、実践に活かす方法を議論する。
本講座で取り上げるトピックはオーバーラップする部分もあれば、本来つなげて考えなければならないものの、その関係性が捉えにくいといったものも存在する。例えば人的資本経営を事業計画策定の中でどのように取り入れていけばいいのかといった点である。現実には課題を解決する際も上記のトピックは複合的に考慮される必要がある。そこで、座学部分を総括する「座学総括」を設けている。
持続的な事業・企業価値の成長・維持のためにそれらを見据えた経営者とサポートする人材が強く求められている。昨今、CFO経験者がCEOに就任する事例が増加し、CFOが担う役割は財務戦略にとどまらず経営戦略の立案から実行に至るまで広範囲に及ぶ。
「経済社会と即戦力 CFO」ではこうした経済社会の変化がなぜ起きているのか、その背景を理解し、求められる知識や技能がどのようなものなのか議論する。
また、次回以降に求められる基礎知識の確認として ROIC-TREE分析につながる財務分析についてその実践方法も含めて取り上げる。
企業経営において多くの企業が事業間でシナジーを生むことやリスク回避を目的として事業の多角化を行っている。その際に重要なのは、各事業が適切な利益やキャッシュ・フローを生み出し最適な経営資源の配分が行われているかという点である。事業で充分に利益をあげられているのか、そこで得たキャッシュを配分できているのかという観点から企業の経営課題がどこに存在し、課題解決策を抽出する上で有効な手段として本講座では ROIC 経営を取りあげる。ROIC―TREE 分析を通して即戦力CFOとして必要なスキルを実戦形式で取得する。
ROIC―TREE 分析において重要なのは、外部環境とくに競合や市場の環境をどのように把握し、識別するのかという点である。そこで自社を含めた分析方法の基礎として 3C 分析を取りあげて説明する。
日経225に属する企業の85%が中期経営計画を公表しており、中期経営計画は日本企業に広く普及している。ただし、中期経営計画の現状と課題として計画が絵に描いた餅になってしまい、正常に機能しないといった場面が散見される。これには複数の原因が考えられる。経営課題や目指す姿、そこに至るための戦略が希薄でストーリーがないこと、財務計画の根拠が弱いこと等が代表的な原因として挙げられる。経営計画や中期経営計画の基礎は「自社のポジショニングの正しい理解と市場セグメンテーションにより、有利に戦える戦場を探す」ことである。ケーススタディーから事業を深く理解し、事業計画策定する一連の流れとスキルを習得する。
21世紀に入り、多くの企業が直面した課題として M&A、事業再生、事業承継、社内ベンチャーを含むスタートアップが挙げられる。これらの課題を検討する上で必須なのが資本政策である。日本では事業承継がこれからピークを迎え、またコロナ禍で貯金された不良債権問題の表面化が待ち受けている。これらのテーマへの対応手法と最適な資本政策や資金調達の在り方について実例を通して検討する。
立派な経営計画や事業計画を策定してもその実行力が伴わなければ意味を持たない。持続的な事業・企業価値の成長・維持のためには実行力を伴ったマネジメント力が必要である。この意味で経営陣の権利と義務は「意思決定とその遂行」といえる。有力企業経営者の経営手法や経験値を実際に聴講し、実戦課題のグループ検討を通して「意思決定とその遂行」を経験値として学ぶ。
経営計画や戦略の実行に寄与することは CFO に求められる役割ではあるものの、実際に実行するためには組織成員を動機づける必要がある。コミュニケーションの取り方には多様な方法が考えられる。その中でも本講座ではコーチングに関する知識、スキルを修得することを目指す。
本講座で想定している金融機関等の企業外部の人員が CFO を務める場合は自身よりも企業や現場のことを理解している組織成員から課題や強みといった点を会話の中から引き出していく必要がある。情報や考え方の引き出し方、それを整理する方法と伝え方を学ぶ。
有力な PE ファンドをゲスト講師として招き、投資判断をどのように行ったか 投資判断を行うためにどのような課題が存在し解決したか、また投資額の妥当性及び投資後の成長戦略をどのように描き遂行したかを聴講する。そのうえで戦略フレームワーク「GISOV」の活用方策を習得し、グループ討議・検討を行い、即戦力 CFO として求められる戦略的思考(仮説思考)を修得する。
企業のステークホルダーとしては様々な主体が挙げられる。株主、金融機関、取引先、顧客、従業員、地域社会等が挙げられる。これらのステークホルダーからの要請に応えるためには経営課題に対して、広範囲な知識から多面的なアプローチをすることが求められる。その中でも本講座では「従業員にいかにモチベーションをもって働いてもらうのか:という観点から人的資本経営を取りあげて、企業のあるべき姿と現状、その課題について議論する。
実習としてはコンサルティング(即戦力 CFO)実習 基礎・応用を設けている。コンサルティング実習では教育目的に作成されるケーススタディーを用いて、経営課題を析出し、課題解決を実行に移すまでのプロセスを体得することを目的としている。
本講座の実習の特徴として講師陣等によるロールプレイを行うことが挙げられる。通常のケーススタディーでは、読者はあくまでも傍観者であり、起きたことを知るという静的なものである。本講座では場面ごとのロールプレイを行うことで、受講生がケース企業の経営者に質問あるいは提案をするというような場面を設けることで、状況が変化していく。例えば M&Aで会社を売却する提案を銀行から受けた社長が、受講生のもとに意見を聞きに来るような場面が想定される。受講生がケースを作る参加者となることで、ケースを経験することで得る知識やスキルを獲得することが期待できる。
更には、実際の実務家経営者の企業経営に関わる意思決定の在り方とその結果を通した、実例の習得により CFO として経営者をサポートする重要性と責任を我が事として認識し、自分との対峙の中で動機付けを行うことを主たる目的とする。
次期以降はプログラムの修了生がロールプレイによって企業側(経営者等)の役を演じるような機会を設ける。これは立場を変えることによって、当事者として見た時にどう見えるのかといったさらなる学びにつながることが考えられる。
コンサルティング実習において必要な予備知識については座学部分で多くはカバーされている。
が、ケース企業の業種あるいは市場等の知識については、受講生が調査しきれない部分については事前の資料として提示する。
原則として、受講生数名で 1 つのコンサルティングチームを編成する。通常、自身が所属する組織が前提としている考え方や評価方法に依拠してしまう部分がある。多様なバックグラウンドを持つ参加者同士でチームを編成することで、より多様な観点からケース企業が抱える課題にアプローチできる。
ケーススタディーの作成については、参加者に事前にインタビュー等を行うことで、受講生の意識と規模や課題、業種等が近しいものを作成する。
また、このインタビュー課程で得た情報については、許諾が取れる場合には研究事例としての活用も視野に入れる。
実習にあたっては、講師陣や本講座修了生(次年度以降)をメンターとして各コンサルティングチームに配置し、指導・助言を行う。
各コンサルティングチームが、コンサルティング内容について発表し、フィードバックを受けることで実践能力の向上をはかる機会として、中間報告会と最終報告会を実施する。コンサルティング経験を持った受講生がほとんであることを前提として、報告内容・形式については高い自由度を持たせることで、相互学習の促進をはかる。
本プログラムにおける成績評価は、(1)座学におけるグループディスカッションなどでの貢献、(2)座学におけるレポート、(3)中間・最終報告会での発表、を総合的に判断して評価する。なお、成績評価の対象となる条件として 2/3 以上の出席を求める。
開催方法および開催場所に変更の可能性がある。
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